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2015/05/19

鈴木ありさ〜5年後の未来を考える〜【lampインタビュー】

魔法のランプがなくても、神様にお願いしなくても、願いは自分で叶えられる!
スペシャルインタビューでは、様々なジャンルで活躍する方たちに自身の“夢を叶える方法”についてお伺いします。

今回お話を聞くのは、日本ではまだあまり馴染みのない「スペシャルティ・ケーキデザイナー」として活躍する鈴木ありささん。アート性の高いデザインケーキの製作を通して、海外セレブリティのパーティーシーンに多く携わるなど、世界を股にかけて活躍する鈴木さんに、“夢”や仕事に対する思いなどを伺いました。

「もしかしたらケーキもアートかもしれない」

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−−まず、「スペシャルティ・ケーキデザイナー」という職業に馴染みのない人も多いかと思いますが、どういったお仕事なのでしょうか?
一般的な店先に並んでいるケーキと違って、お客さんと打ち合わせをしながら、コンセプトにあったケーキをオーダーメイドで作るのが、ケーキデザイナーの仕事です。作るものはデザインケーキと呼ばれるだけあって、見た目のアート性が重視されます。NYで働いていたときには、ファッションショーのアフターパーティー用のケーキとして、流行やデザイナーの好みを取り入れたものを作ったりもしていました。デザインケーキのアート性は、ファッションのデザインと共通するところがあると思います。

−−子どもの頃からケーキへの関心は強かったのでしょうか?
昔留学をしていた母が、私の誕生日ケーキをいつも手作りしてくれていたんです。日本だと買ったケーキのプレートに「お誕生日おめでとう」って書いてもらうのが一般的ですけど、母はすごくカラフルでデザインに凝ったものを作ってくれて。そこに、子供ながらに夢があるなって思ったんです。それでアートに興味を持っていた中学2年のときに「もしかしたらケーキもアートかもしれない」と気付いて、母の手伝いで作ったカップケーキを学校に持って行ったら、「こんな色のケーキ見たことない」って先生や友達が驚いてくれたり、帰国子女の子たちが「懐かしい」って喜んでくれて。その反響がすごく嬉しくて、ことあるごとに作るようになったら、次第に「誕生日用にケーキを作ってほしい」と友達に言われるようになりました。

うやむやな気持ちでいたら何者にもなれない

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−−その後どういった経緯でアメリカで製菓を学ぶことになったのでしょうか?
高校卒業後もアートに興味があったので日本の大学で空間デザインを専攻したんですが、なんかしっくりこなくて。それで、大学の春休みにボストンへ初めて行ったときに、ケーキビジネスや、テレビ番組にケーキの専門チャンネルがあるのを知りました。日本人は可愛いものが好きだし、絶対ニーズはあるはずなのに、なんで日本にデザインケーキがないんだろうってびっくりしたんです。仲良くなった周りの子たちはみんな夢を持っていたし、このままうやむやな気持ちでいたら何者にもなれないと思って、ケーキデザイナーの世界に進むことを決意しました。これがターニングポイントですね。

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「日本の大学を卒業してからやるのか、今の大学で学んでいることを中断して海外でキャリアを積んで、起業するかのどっちかで約束をしなさい」と両親にも言われたんですが、やっぱりケーキデザイナーへの道をあきらめきれず、日本の大学を中退して、NYの料理大学の製菓学科に入りました。語学の壁もあったので、周りと比べると全てが一歩後ろからのスタートでしたが、実技に入って自分の好きだったアートの面が出せるようになったときに成果が初めて出て。卒業前のコンペティションに周りの勧めで参加したら、金賞と最優秀賞を頂くことができました。

−−実際にケーキデザイナーとなられたきっかけは何だったのでしょうか?
大学卒業後は、インターンシップ先で出会って親しくなった元ファッションデザイナーの女性の元で働くことになりました。実は彼女は、セカンドキャリアとして製菓を学んでいた同期だったのですが、卒業後にデザインケーキの会社を起業して。ただ起業したてで、てんやわんやだったので、彼女を手伝いながら、2人でオーダーを受けてケーキを作り始めました。始めはアパートの1室からでしたが、彼女には元々ファッション業界とのつながりがあり、業界内外にもファンが多かったので、噂が広まるうちにどんどん大きなオーダーが入るようになって、2年後にはチームが6、7人になっていましたね。

最初の仕事は450人分のケーキ作り


−−最初のお仕事は何でしたか?
ユダヤ人にとって13歳の誕生日は特別な意味があって、裕福な家庭だと結婚式くらい大きな誕生日会を開くのですが、最初に受けた仕事の依頼主もまさにそうで。13歳の娘さんのためにロックフェラーセンターのスケートリンクを貸し切って、私たちも450人分くらいのケーキを作りました。上司も元ファッションデザイナーだっただけあって、色一つ取ってもめちゃくちゃ厳しくて大変だったのですが、そのこだわりようはすごく勉強になりましたね。

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−−これまでで特に印象に残っているお仕事はありますか?
アメリカ版「VOGUE」の編集長のアナ・ウィンターが私たちをごひいきにしてくれていて、彼女には何度かケーキを作っているのですが、彼女の親友の誕生日にロングアイランドにあるアナの別荘に出張で行って、プライベートキッチンでケーキを作るといういう仕事があって。大変でしたけど、実際にアナが話しかけてきてくれたりしたのが別世界を見ているようで、今でも印象に残っていますね。

−−実際にお仕事をし始めて気付いたデザインケーキの魅力は何でしょうか?
毎回全く違うものができあがって、自分のポートフォリオが増えていくことですね。ケーキ作りにおいて自分の世界はもちろんあるんですけど、クライアントからの要望にも沿うので、逆にお客さんからアイデアを頂いたりするのが面白いです。

衝撃を受けたピンク色のウェディングシーン

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−−ご自身の活動スタイルに影響を与えているモノはありますか?
やっぱり昔から海外のパーティーシーンを見るのはいつでも勉強になりますね。特にジュリア・ロバーツが出演している『マグノリアの花たち』っていう映画で、ピンク色をテーマにしたウェディングシーンを観たときに、「自分が行ったことのある日本の結婚式とは全然違う!」と驚いたのを覚えています。

−−普段のお仕事のなかでご自身が悩みがちなことはありますか? また、それをどうやって乗り越えていますか?
私はデザインケーキをアート作品として捉えているので、値段をつけるのが難しいですね。こちらにとっての赤字にならない値段と、お客さんに納得していただける値段のすり合わせがとても難しいです。なおかつ、日本ではケーキデザイナーの仕事があまり知られていないので、相場や製作期間をお客さんが知らないことも多くて。今は自分のブランドを持つようになったので、そういったビジネス面も勉強しなきゃいけないんですけど、そうしたときは現役のビジネスウーマンである母や、日本でパーティービジネスをしている方にアドバイスをもらったりしています。

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−−ランプをこすって登場した魔人に、自分の弱点を何か一つだけ克服させてもらえるならどんなところをお願いしますか?
「任せる力が欲しい」です(笑)。これから大きな仕事を受けてほかの人の手を借りることになったら、ある程度の裁量は思い切って任せないといけないんですけど、私は結局全部自分でやりたくなっちゃうので…。自分が得意じゃないことは、それが得意な第三者にきちんと任せられるようになりたいです。

『思い出を作る職人』


−−今日までの人生について、ご自身で自伝を書くとしたらどんなタイトルにしますか?
『思い出を作る職人』ですかね…。ケーキって食べたら無くなってしまうけど、その一瞬のためにお客さんも私もパワーを注入して作るものなので、その1日が与える印象って強く思い出に残るんですよね。それに、人を幸せにすることで自分が幸せになっているので、これからもそうでありたいと思っています。

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−−何かに挑戦したいけれど、なかなか行動に移せない。そんなみなさんが一歩踏み出すためのメッセージをお願いします。
興味があったら、まず悩まずにやってみると良いと思います。やった結果よりもやらずに後悔することの方が多いし、それが直接仕事につながらなくてもそれはどこかで絶対役立つと思うんです。それに、やってみて合わなかったら辞めれば良いだけの話なので(笑)。

あと自分自身、ケーキデザイナーになろうと思ったときに考えた5年計画がとても役に立ちました。5年後の自分って遠すぎず、ちょうどいい近さの未来なんですよね。5年後自分が何をしていたいかを想像したら、それを細分化して、「じゃあ1年後何をしてる? 2年後は?」って考えていくとうまくいくので、5年計画を立ててみるのがおすすめです。

−−では最後に、今後の展望をお聞かせください。
自分のブランドを持った今、もう働く場所は関係ないと思っているので、将来どこにいたとしても、誇りを持って仕事をしていたいですね。自分のブランドをいろんな人に知ってもらって、ケーキを味わってもらいたいなと思います。


【info】

鈴木ありさ

スペシャルティ・ケーキデザイナー。アメリカで携わったケーキビジネスで、シニアケーキデザイナーとして数々の作品制作を手がけたのち、2014年に帰国。現在は「Alisa Suzuki Cakes」を立ち上げ、ウエディングや様々なイベントでの実際のデザインケーキ製作と共に、ケータリングとしてテーマに沿ったデザートのレシピ開発、製作、及びコーディネートを行う。また、雑誌の撮影やウィンドウディスプレイを目的としたケーキも製作している。

[ライター/アベユーカ カメラ/クロカワリュート]

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